家族同然の大切なペット。具合が悪くなったりしたら大変です。

この記事ではCBDとは?というところから始め、ネコへの影響、与え方、入手方法などについて詳しく説明していきます。さらに推奨される容量・用法と予想されうる副作用についても紹介します。

CBDってなに?

カンナビジオールCannabidiolの略称。大麻草に含まれる化学物質(カンナビノイド)の一種。

カンナビノイドの中でよく知られているのは薬物としての大麻の主成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール:精神作用性があり日本では指定薬物)ですが、CBDはその無数ともいえる医薬的効果から急速に人気が高まっています。

カンナビノイドは種類が豊富で他には

CBG カンナビゲロール

CBL カンナビシクロール

CBT カンナビシトラン

CBN カンナビノール

THCV テトラヒドロカンナビバリン

THCA テトラヒドロカンナビノール酸

などが主なものとして挙げられますがどれも正式名称は非常に長いので、頭文字をとった略称のほうが一般的です。

CBDを与えるとネコにはどんな影響があるの?

ヒトの脳にはカンナビノイド受容体とよばれる神経細胞があります。カンナビノイド受容体は大麻草から検出される様々なカンナビノイドと結合し、その際に薬理学的作用を及ぼすのです。マリファナを摂取するとカンナビノイドの一種であるTHCが脳に到達し、高揚感などの精神作用が現れる、というわけです。

THCの代わりにCBDを使用すると、精神作用が出ることなくその薬効だけを得ることができます。

このカンナビノイド受容体はヒトだけでなく鳥類、爬虫類、そして哺乳類全般の脳内にあることがわかっています。つまりペットのネコであってもCBDの効き目を期待できるというわけです。

とはいえいきなり大麻草をキャットフードに混ぜてしまうことのないように。大麻草の生食は人間にも動物にもおすすめはできません。あなたの大事なネコがCBDの薬効をしっかり得るためにはCBDオイルを使いましょう。

CBDオイルってなに?

大麻草から採取された、CBDを多く含むオイルです。十分に成長した大麻草から二酸化炭素、ブタン、アルコール、オリーブオイル、氷水などを溶剤としてつくられます。

溶剤が葉や茎に浸透する際にカンナビノイド、テルペンなどの化合物を抽出する働きをします。のちに溶剤のみを蒸発させ、オイル状に凝縮されて残ったものがCBDオイルです。

ややこしく聞こえるかもしれませんが紅茶をティーバッグでいれるのと要領は一緒です。熱いお湯にティーバッグを入れ、しばらく置いてから茶葉だけ取り出す。残ったものが出来上がった紅茶です。CBDオイルを精製するのも似た工程です。茶葉の代わりに大麻草を、お湯の代わりに二酸化炭素やブタンを使っているだけです。

CBDオイルでネコがハイになる?

 

出典:HonestMarijuana.com

CBDオイル単体では精神作用性はありません。

THCオイルを誤って混入しない限り、CBDオイルで高揚してしまうということは物理的にも化学的にも不可能です。精神作用という副作用なく薬効だけを享受できる、それこそがCBDオイルが優れている所以なのです。

ネコに与えるメリットは?

1.不安や気分の落ち込みを和らげる

不安や気分の落ち込みは、脳内化学物質のバランスが崩れることで生じることがわかっています。そしてそれはヒトもネコも同じなのです。CBDオイルを使用することで、このバランスを安定化・正常化することができます。

CBDは他にもアデノシンやセロトニンの受容体にも作用することがわかっています。

2.腫れと痛みを抑える

脳内のバニロイド受容体に作用し、腫れや痛みの情報が全身に伝達される前にブロックします。

3.がん細胞の増殖を抑える

マウスを使った実験ではがん細胞の転移・増殖を抑えるだけでなく死滅させることもあることがわかっています。ヒトでも効果があったケースがあり、ネコでも同じ効果が期待できるかもしれません。

4.けいれん発作を抑える

脳内の電気信号の異常で身体が激しく震えるのがけいれん発作で、ヒトにも動物にも生じます。治療が難しい症状のひとつですが、CBDオイルを用いることでけいれん発作の程度と頻度を抑えることがヒトで実証された文献があります。

ヒトとネコは脳内に同じカンナビノイド受容体を持っていることがわかっているので、ネコにも効果は期待できます。

5.その他の効用

喘息発作、関節炎、膵炎、炎症性腸疾患の症状の緩和にも使用されます。ヒトに使える、ということはつまりネコにも効果があるということです。

副作用はないの?

出典:HonestMarijuana.com

ネコにCBDオイルを使った場合の副作用は極めて少ないです。一般的なのはうとうとしやすくなる、といったものがあげられます。昏睡状態になるわけではなく、実際に使った飼い主によれば抗ヒスタミン剤を服用したときに似た感じだといいます。

ただほとんどの飼い主にとってネコは元々うとうとしているものなので、副作用だとも思わないことが多いようです。いずれにしてもそのメリットに比べれば大したことはないようです。

注:重篤な副作用としては痒み、嘔吐などがありますが頻度としては稀です。

どのようにしてあたえるの?

最も手軽なのはスポイトを使って直接口に入れるやり方です。おやつや食事に混ぜるのもいいでしょう。

即効性はないので症状が和らぐには数時間かかることもあるのを忘れずに。

あたえる量は?

個体によって異なるので、まずは少量から試してみて下さい。身体を慣らせる意味もあります。

1日1滴からはじめましょう

1日1回1滴を1週間続けてみましょう。効果を実感できなければ1日2回1滴にして、また1週間続けます。必要に応じて1日3回1滴にします。1日にあたえる回数は増やしても、1回にあたえる量はまずは1滴です。1日4回まで増えたら、1日1回2滴にし、また回数だけを増やすようにして様子を見てください。

大切なのはネコの様子をよく観察し、最小限の副作用で最大限の薬効を得られる最適な容量を見極めることです。万が一重篤な副作用がでた場合は直ちに投与を中断し、症状が落ち着いてから少なめの容量で再開してみて下さい。

ペット用のCBDオイルはどこで買えるの?

アメリカに住んでいるのならまずは、薬局で相談してみましょう。商品や容量・用法などのアドバイスを受けることができます。またかかりつけの獣医師にも相談できます。しかしCBDオイルの効用は立証されてはいるものの、獣医師のなかには懐疑的な人もいるのは事実です。

まずは自分でよく調べ、他の飼い主たちとも情報交換してみましょう。