誇大広告は信じないようにしましょう。カナダで成人の大麻使用が合法化され3ヶ月、空が落ちてきたのか、それとも理想郷に変化したのか。誰もが思っているように本来、大麻は大きなビジネスでしたが、そこに店頭で周囲を気にせず購入できる、というオプションが加わりました。大体の場合は、です。
販売店の公表の遅れから、供給の不足などの問題は多少起こりましたが、現在はその霧も晴れ始めています。カナダで大麻が合法化された第1四半期の市場の様子をお伝えします。
目に見える供給不足の終わり
カナダで大麻が小売店で購入可能になり、特徴づける変化となったのは、在庫の不足、配達遅延、オーダー間違い、オーダーキャンセルの嵐でしょう。
Ontario Cannabis Store(Saskatchewanでこの現象の一番の犯人)のPR責任者、Amanda Winton氏はLeaflyにそのような日々は終わったと保証しました。「毎日、お客さんは注文したものを配達の遅れなく、受け取っています。」彼女はそう言います。ほとんどの購入者が改善された点に満足している中で、未だ不良品に悩まされ、政府公認の大麻草に疑いを持っている人もいます。
州ごとの販売集計
Vice reports によると、2018年、カナダの人々は16億円を合法大麻に消費しています(Arcview Market Research and BDS Analyticsの集計レポートを引用)。州によって特定の収入しか公開していない場所もあります。BC Liquor Distribution Branch のPR責任者、Kate Bilney氏によると、彼女の州ではネット販売で66,865のオーダーを受けており、店頭では43,345の商品を販売しているので、全体の販売数は110,210となっています。Saskatchewan(州)のような直接小売りをせず、ライセンスを持っている場所に販売しているため販売数を気にしない州や、Quebecのようにただ販売数を言いたがらない(他に知られたくないため)州もあります。
明確なのは、政府の代理店より需要ははるかに超えていて、結果、混乱を招く事態となりました。
「この時点で私たちは販売数や収入などは共有していません。」Alberta Gaming, Liquor and CannnabisのPR担当のChara Goodings氏は言っています。「カナダ国内での大麻の供給不足は続いているため、私達が受け取る最小管理単位(SKUs)が一定ではないため、正確に計算することが非常に困難なのです。」
OntarioのWinton(地名)では10月17日の販売店オープン以来、OCS(配送会社)は400,000超えるオーダーを受け、1日約4,400輸送したと公表しています。PEI Cannabis CorporationのブランディングとPR担当者、Colin MacDonald氏と Cannabis NBのPR責任者、 Marie-Andrée Bolduc氏は今月末には四半期ごとの売上を公表するつもりだと発表しました。
乾燥大麻が人気を支配している現在
最も人気のある商品は、入手可能か否か、大麻に対する文化、経済状況によって州ごとに異なります。
国は食品用や濃縮液の規制解除を待っていますが、現在は乾燥大麻が市場のほとんどを占めています。便利なプレロールジョイントが販売されてから、値段も手が届きやすくなりました。他の製品は後れをとっています。「乾燥大麻はとても人気で、プレロールジョイントが入荷すると、すぐ売り切れになります。」Alberta Goodings氏はそう言います。
それに比べ、British Columbiaは少し変わっています。Bilney氏によると「 BC Cannabis StoresではCBDオイルが断トツで人気です。また、THC含有量の多い大麻の需要が多いようです。」
Kush系の大麻ももちろん人気ですが、中でも人気なのが Pink Kush とZombie Kushです。しかし、カナダ東部でとても有名な Edison Cannabis Company(企業名)で栽培されているWabanaki-typeサティバ種の Rio Bravoもよく売れています。サティバ種が優勢な株のBlue Hazeは西海岸で人気でありますが、似たタイプの GSC (Girl Scout Cookies)はプレーリー地域で販売数を伸ばしています。
小売店
州が経営している大麻販売店は New Brunswickで20店、Quebecで12店、Nova Scotia州で9店、Northwest Territories で5店、 Prince Edward Islandで4店(今月にオープンする1店舗を含め)、British Columbia、Nunavut、 Yukonには各1店舗ずつあります。
州がライセンスを承認している販売店は、 Albertaで65店、 Saskatchewanは驚きの51店、 Newfoundland and Labradorで25店(ClarenvilleにはPuff Puff Pass Head Shopなんて名前の店もあります)、Manitoba で17店(Winnipeg だけで10店舗)存在しています。
Ontarioは現在、今年の末にオープンする州が保有している店舗からのネット販売のみとなっています。British Columbiaには州からライセンスを受けた6店舗があり、そのうちの2店舗は認可を受け、今年の春ごろオープンする予定でその後も店舗は増える見込みです。
「データーベースが州のどこにBC Cannabis Storesを作るのか調査中です。慎重に販売店の発表をする予定です。」Bilney氏はそう言います。Research Co.のリサーチによるとBritish Columbiaの70%の人が大麻販売店の設置を認めていて、48%の人が自宅から1ブロック以上は離れた場所への設置が好ましいと答えています。
犯罪率は変化なし
カナダでの大麻の合法化を望む人々の理由のひとつが、犯罪の減少に効果があると信じていたからです。大麻合法化を反対する人々は犯罪が増えるだろうと予測していました。まだ合法化になったばかりですが、双方の言い分はどちらも間違っていないようです。歴史的に見て、ほとんどの地域で犯罪率は減少も増加もしていません。Reefer Madnessのような事件が横行したわけでもなく、犯罪が全くない世界になったわけでもありません。
大麻所持による逮捕は過去のものとなり、所持が当たり前の時代がやってきます。Southern Ontarioの麻薬取締官によると、「ここ10年ほど大麻所持による逮捕者はでていませんから、実際合法化されたとしても変化はありません。」とのことでした。
グリーンラッシュは続く
合法化から3ヶ月、大麻による大きな混乱は起こっていません。大きくニュースになるのは、個人や企業がグリーンラッシュに乗っかろうと大金を賭けているなどの経済的な話ばかりです。企業が発表したように、大麻への投資はただ同然だと信じて、投資家たちが押し寄せてきています。しかし、他の急上昇している市場と同様に、株がただなわけではありません。「確信をもって、市場は金銭を生み出していますが、多くの企業が価値を上げすぎているため、投資家にとっては危険でもあります。」とCannaRoyaltyの代表、Marc Lustig氏は語っています。2018年に132%増加したForbesのCanadian Marijuana Stock Index(カナダ大麻の株価)は2019年には19.1%その価値を失っています。
カナダが初めて大麻を合法化した歴史的な動きから四半期、どのような変化が起こるのかなんとなく見えてきた気がします。
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