アメリカでのカンナビジオール製品の市場は大きく伸びています。CBDが人気になるにつれ、薬局、ガソリンスタンド、バーなど様々な場所に広告が貼られています。しかし、ある製品の調査実験によって健康に被害があり化学成分の混入が明らかになりました。

実験結果は2018年11月に、有名なメーカーのCBDオイルから会社が使用している材料リストには記載されていない、危険性のある合成カンナビノイドと咳止め薬に使用される化学成分が発見されたと発表しました。実験を行った担当者は「添加物は予想外の精神的作用を引きおこす可能性がある」と語っています。

Virginia Commonwealth University (VCU)の研究者は、7つのメーカーの、9つの製品の実験を行いました。 PotNetwork Holdingsが所有する小売店Diamond CBDのふたつの製品サンプルを、症状に悩みがある顧客から受け取りました。製品には長年健康被害があると言われてきた咳止め薬の成分として知られているデキストロメトルファン (DXM)、合成カンナビノイドの成分のひとつでK2、Spice(スパイス)とも呼ばれ近年話題になっている5F-ADBという予想外の成分が発見されました。

これらの成分の組み合わせは、特に気づかずに摂取している人には危険な症状を引き起こす可能性があります。 -VCU研究員

Diamond CBDのウェブサイトにははっきりと「100%自然成分、ラボテスト済み、CBD濃縮液、化学成分不使用」と記載されています。さらに、企業のウェブサイトには精神向上作用がある物質が含まれているとは書かれていないとVCUの研究者は発表しています。

11月に発表された研究結果について、Diamond CBDの代表Kevin Hagen氏は Consumer Reports(非営利消費者団体)に、新しい製品で再度テストを行う予定で、必要であれば結果を発表すると伝え、「我々は最高品質の製品を供給する約束をする。」と語っています。

電話でのインタビューで、Hagen氏はLeaflyにDiamond CBDは研究所で製品の再テストを行い、結果DXMも5F-ADBも発見されなかったと答えました。Virginiaのテストで使用されたサンプルは成分が違った2017年の物だと述べています。

第3機関のDiamond CBD製品の研究結果によると、二つの有害成分が入っていなかったにせよ、CBD製品を買い求める人々が予測しないであろう成分、睡眠を促すホルモンのメラトニンが入っていたことを発表しました。Diamond CBDはこれについて、「少量のメラトニン」が含まれていることをウェブサイトに掲載していましたが、企業のテスト結果では製品の「大部分」がメラトニンで構成されており、CBDが「一部分」であることが発見されました。

出典:Leafly

Chemicals 101: カンナビノイドに近い成分

世界的にまだまだ非合法の国が多い中、アメリカ国民は近年の大麻人気を受け入れ始めています。規制が意味するのは、たとえ合法な大麻草を使用しCBD濃縮液を製造することも、法的に問題がある可能性があるとされている中、近年ラボの開発により化学物質で大麻同等の効果がある薬を生産し始めています。

現在一番流行しているのがK2やSpiceと呼ばれる合成カンナビノイドです。いくつかの研究所が化学物質を使用して体内のエンドカンナビノイドを活性化する成分を作り出し、天然のカンナビノイドと同じ作用をします。それぞれの成分の効果は異なりますが、消費者はいずれも鎮静効果やリラックス効果を感じるという意見がありますが、過剰摂取した場合は吐き気、不安、過呼吸などの症状が現れています。

これらの薬物の過剰摂取は死に至る可能性もあり、5F-ADBおよびいくつかの合成カンナビノイドはSchedule I(スケジュールⅠ)の規制物質に分類されています。いくつかの事例で、それらの化学物質を含んだ製品が液体等のCBD製品として販売されている疑いがあります。

Diamond社の代表はLeaflyにDiamondの製品は5F-ADBやDXMなどの成分は含まれていないと語っています。

VCUの調査によると、CBDが含まれていると宣伝されているDiamondの製品にはCBDが含まれていましたが、テストされたサンプルでCBDヴェポジュースとして有名なLiquid Gold Strawberry とLiquid Gold Jungle Juiceには5F-ADBの反応が出ており、 オンラインで注文した製品には咳止め薬の成分で覚醒作用のあるDXMが検出されました。

「詳細な情報を知らない消費者達はこれらの[化学物質]の効果を誤ってCBDの効果と関連づける可能性がある。」と研究者達は記載しています。「これらの薬物の摂取は消費者達が何も知らないで摂取すると危険な症状を引き起こす可能性があります。特に[それらの製品]を治療用として消費している場合。」

いくつかのDiamondのCBD製品には、研究者達は「想定内」と言っている大麻草自体に含まれる微量の精神活性化作用のあるカンナビノイドのTHCが含有されていることが判明しました。

VCUの調査でDiamond CBDの2つのサンプルからTHC、4つのサンプルから合成カンナビノイドの5F-ADB、1つのサンプルから咳止め薬の化学成分DXMが発見されました。

Hagen氏はLeaflyに対し、Dimondの製品には5F-ADBやDXMは含まれていないと語っています。彼は偽造品が出回っているか、何らかの形で汚染されていることを示唆しました。CBDの小売業者として、Hagen氏はDimondの製品には大麻草由来のCBDオイル、植物性グリセリン、外部業者から取り寄せた人工香料が使用されていると説明しました。会社は「ラボのテスト結果に頼らなければならない。」と述べています。

Hagen氏は約300製品ある「いくつか」のCBD製品に、ホルモンによって身体で生成され、いくつかのダイエットサプリにも含まれ眠気を促すメラトニンが含まれていると認めました。彼は彼のチームが数年前の展示会で、他社の業者がメラトニンを使用していることから着想を得て、さらに消費者がCBD製品を不眠解消に使用していることから取り入れたと述べています。

Hagen氏はCBDに対する規制の拡大を支持すると表明しています。

Hagens氏はDiamondの製品のうち、オンラインでどれがメラトニンを含むと説明されているのかわからないと述べ、また、販売している製品は特に睡眠を手助けするものではないと述べました。Leaflyで会社のウェブサイトを確認したところ、いくつかの製品、特に「リラックス」の効果がある製品には「メラトニン」の表示がされていました。いくつかの製品の材料リストにメラトニンの表示がある中、CBDの表示がリストの最初に記載されていました。それはその製品に一番多く含まれているのがCBDだということです。

しかし、会社からLeaflyに提供されたサンプルのラボテストの結果では、メラトニンが「主成分」でありCBDは「成分の一部」でした。この明らかな不一致に関してHagen氏に尋ねたところ、彼はテストの状況に関する知識がないと述べました。

Hagen氏は彼の家族もDiamondのCBD製品を定期的に使用していることを何度も強調しており、今回の教訓を受け会社は可能な限り大麻業界のこのような問題に協力すると表明しています。「家族や友人、消費者を危険に陥れたくはない。」と述べています。

彼はCBDに関する規制にも可能な限り協力するとも述べています。「すべての会社は自社製品を過大に評価しています。」「[信用のできる商品]かを決めるのはFDAの仕事です。」Hagen氏は述べました。

大麻業界の急激な成長により、安全面が見過ごされているのでしょうか?

近年調査に引っかかったe-liquid販売企業はDiamond CBDだけではありません。しかしながら、州の関心のなさや連邦による製品への規制が整っていないため、純粋なCBDではない製品を販売している企業はビジネスを続けることができます。

調査結果が発表された週、Diamond CBDやその親会社はインターネットなどを通してキャンペーン広告を流し続けました。

先月、Diamond CBDとPotNetwork Holdingsは製品に大きな注目や投資を集めるためにプレスリリースを行いました。特に、彼らはDaimondの市場46億円のCBDコーヒー業界に参入モールでの製品の販売、業界で賞を授与されたペット用のCBD製品に力を注いでいることや、大麻業界に関する雑誌を発行すると発表しました。

問題に目をつむりたいほど莫大な金額が生み出されている。
-Justin Poklis, VCU 調査リーダー

ここ数か月、スポンサーの投稿や企業による論説記事がLeafly,  VentureBeat、 LA Weeklyを含む業界の小売店や消費者による出版物に掲載され始めました。いくつかの記事には「大麻産業の品質向上、品質への責任」のような、企業の製品の品質に関する責任への明白な回答を記載しています。[編集後記:Leaflyはスポンサーの投稿をウェブサイトから排除しました。]

Diamond CBDはすでに膨大な読者や顧客を所有しています。それは会社をCBD製品の権威に位置付けようとしているように見受けられますし、消費者は実際そう思っているかもしれません。しかし、他の多くのCBD小売業者と同様に、その製品と慣行は知られていないままです。

Reform Marijuana Laws (NORML)の副会長であるPaul Armentano氏はLeaflyに最新のe-liquidsに関する調査では政府が特に医療用として使用している消費者や患者のために規制が必要である想定外で危険性のある化学成分が発見されたと強調しています。

「数年間、広告などで宣伝されている製品は法律ではグレーなものです。様々な製品が安全性や品質に疑問があります。」彼はメールでそう述べました。「市場で人気があり、有名な製品には製造に関する法律を整えるべきです。そういった政策が消費者にとって安全で品質の良い製品の生産につながります。」

Virginiaで行われた調査結果の著者Justin Poklis氏はLeaflyに調査を行った製品への監視が、消費者の安全に極めて重要だと言いました。

e-liquidsや合成カンナビノイドの調査を10年間行ってきた彼は、それらの化学物質の混入した製品のパッケージは類似していると語っています。Poklis氏は最近IAmStoned.comからサンプルを取り寄せた、K2製品のパッケージに書かれていた「人が消費するものではありません。」という衝撃的なパッケージを思い返したそうです。

「多くの製品がその製品を使用するとハイになると示すような写真やキャッチフレーズをパッケージに記載しています。」と彼は言いました。「予想外の効果に関する薬理学のデータがないにも関わらず、そのような製品を使用するのはばかげています。」

Diamond CBDのケースは、Poklis氏と彼のチームが調べた会社のウェブサイトや製品のパッケージも怪しくはなかったので調査結果は「予想外」だったと彼は言いました。「もし、誰かが治療用としてCBD製品を探していて、それが合法な企業のサイトから購入でき、問題にならなければ、それが自体とても大きな問題です。」

「誰かが規制をしなければいけません。」Poklis氏は加えて言いました。「問題を見過ごしてしまうほど、莫大な金額が生み出されているのです。」