突如として、アメリカではカンナビジオール(CBD)オイルをあちこちで見かけるようになりました。人々はそれを夜の紅茶に垂らしたり、カプセルを飲んだり、電子タバコに入れたりしています。そして、CBDオイルはうつを和らげ、慢性的な痛みをなくし、より深く眠るための助けになると主張しています。CBDオイルは、植物のマリファナに由来しますが、人をハイにすることはなく、単なるマリファナ使用者とは違います。

しかし、CBDオイルとは一体なんなのでしょうか?CBDオイルは一般的に、大麻(マリファナ)の芽および花の樹脂から抽出されます。また、ヘンプから抽出することもできます。産業的には、ヘンプは繊維状の大麻で、小さなつぼみを持ち、テトラヒドロカンナビノール(THC)濃度が0.3%以下のものです。THCは人の気分を高揚(ハイ)させる化合物です。通常、MCTオイルのような別のタイプのオイルで希釈されます。

では、CBDオイルとは、どういったことに効くのでしょうか?

CBDオイルは人をハイにすることはない

マリファナには80種類以上の活性カンナビノイド化学物質があり、その影響は体内の特定の受容体との相互作用から起こります。THCは、マリファナの主な精神活性カンナビノイドであり、脳のCB1受容体との相互作用によって、陶酔状態や幸福状態を引き起こします。体内の受容体とCBDの相互作用はTHCよりも100倍弱く、これらが結合しても、THCのように思考や知覚を変える事はありません。
不当表示の製品には、かなりの量のTHCが、表示されているよりも多く入っている可能性があると言われています。

住んでいる所によりCBDオイルが合法かどうかが違う

CBDオイルは薬用または快楽目的のマリファナが合法である29つの州で合法です。アラバマ州、ジョージア州、インディアナ州、アイオワ州、ケンタッキー州、ミシシッピ州、ミズーリ州、ノースカロライナ州、オクラホマ州、サウスカロライナ州、サウスダコタ州、テネシー州、テキサス州、ユタ州、バージニア州、ウィスコンシン州、ワイオミング州の17の州では、THCレベルと使用目的(例えばミズーリ州では、てんかんの治療にしか使用できないなど)にそれぞれ制限を持っています。

研究ではCBDオイルには健康へのメリットがあることが示されている

FDAは、レノックス・ガスト―症候群およびドレイヴ症候群に関連する発作の治療に使用される、医薬品グレードでCBD製品であるエピディオレックスの新薬申請(NDA)を批評しています。この二つは、小児発症のてんかんでもまれな症状です。
さらに、動物研究や逸話的な証拠によれば、中枢神経系の慢性的な痛みや病気に対する、すべての不安や薬物乱用障害の治療薬としての可能性を、CBDオイルは秘めていると示唆されています。最近の2つの臨床試験、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンとランセットに掲載されたものでは、特定のタイプの発作を減少させるのに有効であることが示されました。
多くの人々が、ツイッターでCBDオイルのメリットを嬉々として語っています。
そこでは、人間の被験者でのCBDオイルの研究は限られていると述べられていました。米国では、カンナビジオールはスケジュール1の薬物(現在医療用として認められておらず、中毒になる可能性が高いとされている)に分類されているため、政府は、広範囲に及ぶ規制のため、それについて研究することに関心を持つ研究者たちに詳細な文書を要求しています。

見ているものが手に入るとは限らない―CBDオイルはよく不当表示されている

CBDオイルは、現在、液体物・カプセル・シロップ・紅茶・ローション・クリームなど、あらゆる形態で販売されています。FDAは、いかなる目的でもCBD製品を承認しておらず、これは、その生産・表示・販路が、連邦規制の対象ではないことを意味します。
昨年JAMAで発表された研究では、オンラインで販売されたCBD製品の3分の2以上が、ラベルに表示されているよりも物質の濃度が高く、もしくは低く含まれており、その中にはTHCも含まれていました。
「現在入手可能なCBD製品の安全性と信頼性は、生産される州によって異なります」とティモシー・E・ウェルティ博士は述べています。アイオワ州ドレイク大学の薬学・健康科学部臨床学部の教授であり、最新のてんかんにおけるCBDについての2014年の批評と意見書の共著者です。
「ミネソタ州やアイオワ州のように、州によってCBD生産が規制されているところもあります。これらの州では、製品は純度・含有量・強度について試験されているので、信頼性があります。生産が規制されていない他の州では、CBD製品に含まれるものを明確に知る術がありません。研究によると、これらの製品には、不純物・農薬・菌が含まれているか、ラベルに記載されているCBDと同じ量が含まれていない可能性があることが示されています。」とウェルティ氏は説明しています。

CBDの副作用は考慮されるべきである

昨年、世界保健機構(WHO)の暫定報告書は、「公衆衛生上の問題は純粋なCBDの使用に関係していない」とし、依存または中毒の可能性は示されなかったと述べています。NEJMとランセットの研究では、最も一般的な副作用は吐き気・嘔吐・下痢・鼓脹であったとウェルティ氏は述べています。「しかしながら、約10%の患者が肝機能の変化を示していたため、毒性を示唆していた可能性があります。研究では約3%の患者は肝障害の可能性があるためにCBDを中止しなければなりませんでした。」さらに、「CBDと他の一般的な薬物には明らかな薬物相互作用があります。これらの相互作用の一部は、他の薬物の毒性や重篤な副作用を引き起こす可能性があります。」と同じくウェルティ氏は述べています。

まとめ:CBDについて学ぶことはたくさんある

私たちの体へのCBDのメリットについての知識、使用に関する許可や規制のための公的支援はどんどん増えていっています。その間でも、一番の処方箋はジェネリック医薬品です。処方箋はリラックスした状態で、注意深く読んでください。