2018年のカナダのカナビスのある実態

不法なマーケットで最も人気な製品が、トロントのダウンタウンにあるデザイナーズブティックで見つけることができるというのです。それを購入するためには、パスワードも、内密の握手も、そして薬品許可証も必要ありません。

おしゃれなカンナビス入りのチョコレートバーは、工芸品や、商品とマッチしている

明るくてカラフルなスペースに、カンナビス入りのチョコレートバーが並べられています。多様な味があり、日本産オーガニック抹茶入りココアバターホワイトチョコレートバー、手割り珈琲豆入りのミルクチョコレートエスプレッソバー、無加工のシトラスオイル入りのオレンジバーなどです。それぞれのバーに番号が振られ、日本から輸入された上品な千代紙に包装されています。

トロントのグリーンマーケットイベントで、初めてこのチョコレートバーに出会ったブティックのオーナーは言います。「この製品は美的センスという側面から見ると、本当に目立つ存在である。これは、カンナビスに対する様々なネガティブな考えをすぐに閉ざすことができます。美しいだけではなく、美味しいだけではなく、製品として成り立つのです。」

そのカナビス入りのチョコレートバーは、工芸品や、そこにある設備やプロジェクトスペースの中にフィットしています。クッション、食器棚、輸入ラグ、そしてカナビスチョコレートバーというように。チョコレートバーは現在は不法ですが、公にオープンに売りだすことで、正当に利用したカナビスの将来はこんなものであると、イメージを抱かせることができます。特に問題なく入手可能であること、を見せることでこのような製品の正規化、常態化を大きく前進させることができます。

ブティックのオーナーは言います。「これはどこかの暗室ではないのです。僕たちのターゲットとするマーケットは、シャンデリアの下で、素敵な設備の中にあるべきです。これにより、悪名を取り除き、入手可能であるようなイメージを作ることができます。」

チョコレートバーは、EP Infusionsというカナビス製品を製造するとされるモントリオールの会社で製造されていますが、現在は不法稼働しているのが現状です。

「私が生産したかった、そして今も生産したい製品は、闇のマーケットで売られるような製品ではありません」と、ブティック同様、名前を明かさないEP Infusionsの設立者は言います。

「私がカナビスを愛する限り、社会の罠にかかったとは一度も思ったことはありません。私はカナビスを楽しみ、そして生活の大切な一部となり、多くの事柄への理解に貢献してきたのです。でも、他の社会によって表現されるその理解の仕方、これは私の考えではありませんよ」

チョコレートバーの成功と成果を見出した影には、EPの将来の不安定さがあります。会社と製品がもうじき追放され、かつての美しいグレイゾーンのマーケットで売られた記念品のように、法に不毛なものとされるのでしょうか。

EPの設立者は言います。「私たちは法に則ったマーケットの一部になり、必要な事柄には応じていきます。不運なことに、この制度の中では何百ドルも投資金がないと、プレイヤーにはなれないということを見てきました。」

「どんな状況でも、リスク軽減のために工夫を凝らしたアプローチが必要です。でもこの場合リスクはすでにそこにあります。」とEPの設立者は言います。しかし、彼はそのリスクを取る価値があると考えます。「私にはアイデアがあります。製品も、世界とシェアしたいものも。だから、私は挑戦し続けますし、それによって学びたいのです。ここまできたのですから。製品、ブランドそして私たちのチームの強さによって、将来の一部となる方法を見つけ出したいのです。」

クラフトビールからクラフトカナビスまで

カナビスチョコレートバーの素晴らしい点の一つが、コンセプトとして飲料を始めたことです。

EPの設立者は、元々クラフトビール製造をしており、紅茶や植物系の味を混ぜた飲料を作りたかったのですが、チョコレートバーや焼き物を作るよりも、飲料製造の方が難しかしいのです。

チョコレートバーは現在は不法ですが、公にオープンに売りだすことで、正当なカナビス利用の将来はこんなものであると、イメージを抱かせることができます

「食べ物の製造プロセスは複雑なものではありません。確かな含有量で濃度に注力するなど細かいところが大事ですが、そのプロセスはよく理解しやすいものです。飲料の場合は、少し複雑です。試行錯誤を繰り返しながら、食物科学について理解する必要があるからです。」と彼は言います。

「生産についてもチャレンジが必要です。チョコレートの生産は、スペースを必要とせず工夫を凝らさなくてもできますが、飲料は違います。本当に大きなタンク、そしてそれを保管する大きな倉庫、またそれを冷やす場所が必要になるからです。」と、EPの設立者は言います。よって、飲料ではなく、チョコレートバーが生産に適した最高の製品となりました。その理由は、まさにその美と実用性です。

食べ物の扱いにくい部分と言えば、人々には幅広い差があることです。よって、様々な味の好みと含有量を確実に扱う必要がありますが、チョコレートバーはこの点でぴったりの食べ物です。食べられる人は半分または全て好きなように食べたいだけ食べることができ、一方、1度に2、3角のみ食べて、量を調整することもできます。

カンナビスに反対派の意見を変えるために、美しさと質だけではなく、確かな含有量について知ってほしいとEPは言います。チョコレートバーは1個あたりTHC 120mgとCBD 12mgを使用します。50/50バーでは、バーの半分に各60mgが含有されるようにします。(元の記事がCBD含有量一桁間違っていると思います。実際は、THCもCBDも120mgずつの含有量でなければ話が通りません。)1角にTHCとCBDそれぞれ5mgが含まれる計算です。これは、素早く、そして簡単に服用できる量で、快適に作用を感じられる程度です。

 「この製品を知った多くの人は既にカンナビスの使用者であるか、または興味本位の人かのどちらかでした。初めて出会った製品というのは、人々に大きな印象を残すことができると思います。チョコレートバーは、とてもアプローチしやすく、初めて体験するにしても安全にどのくらいの量まで消費すれば良いのかを試すことができます。」と、EPの設立者は言います。

EPはファンを多く増やし、西から東までカナダ中にそのプレゼンスを発揮しています。しかし、どのように不法稼働しながらブランドを守っていけるのでしょうか。

「法に則ったマーケットへの参入を手助けしてくれるようなパートナーがいれば最高だが、自分たちだけ参入できたとしてもそれもまた最高です。」

「今私たちがチャンレンジしていることがいくつかあります。」同時に、彼は製品の質には自信があり、競合より抜きん出ることができるとEPの設立者は言います。「最終的には、質で嘘はつけません。私は本当に製品を標準化したいのですが、今の状況では人々の元にお届けするのは難しい。法に則ったマーケットへの参入を手助けしてくれるようなパートナーがいれば、最高だが、自分たちだけ参入できてもそれもまた最高です。」

合法化への道のりはどのようなものでしょうか。カンナビスに関する法律には、カンナビスの花と、カンナビスオイルのみ合法で、食用としては未だ許されないとのこと。まず1年目にこの法律で様子を見た後に、食用としての合法化ができるか検討したいと政府は言います。EPのような会社は、破産もすることなくブランドを守りながらも将来有望なパートナーへのアピールを続けています。このように消費者ベースのビジネスであることは最終的に会社を将来的に合法化させる道へと繋ぐのです。

「マーケティング、パッケージ、ブランディング、そして人々をコミュニケーションをとるにあたり、規則ががとても厳しいが、消費者ベースであるこのビジネスで人々と感情的な繋がりを作り上げていくことはとても価値のあることです。そして、これに誰かが気づいてくれることを願います。」

1月のローシーズンの際、ブティックは数週間の休暇を取っていましたが、帰って来てみると、メールや留守番メッセージの山となっていました。

「最初は、お客様は家具を買いたいのだと思ったのですが、実はチョコレートバーを買いたいという問い合わせだったのです。全ての問い合わせにおいてです。」とオーナーは驚いたように言います。

EPの設立者は、このビジネスにこれまで3年間投資してきました。そして、そのうち後半の1年半は全ての時間をこのビジネスに費やしてきました。「大いに失敗するか、合法化への道を辿るのか、の2択しか残されていません。現時点で辞めることはできないですし、これが私の人生をかけてやってきたことです。」

ブティックの裏側では、オーナーがチョコレートバーを片手にどうしてこのビジネスをするに至ったか、集まってきたお客に説明をします。「これはどちらかというと、お客様の居所、人生、ライフスタイルです。お客様は家を飾ると同時に、枕や机以外のライフスタイルもお持ちです。だから、これが良いビジネスになるのです。」そして、オーナーは続けます。「まさに、これが道理にかなった意味のあることなのです。」

出典:Leafly