Davidacus Holmes氏はカナダ初めて登録されたラスタファリアン教会の創設者です。6月のある木曜日の午後にバンクーバー市郊外にあるオフィスで机に寄りかかりながらマリファナ煙草を巻き始めました。

胸部にジャマイカの国旗と、背中にKINGSTONのスペルが刺繍された黒いジャケットを纏っていました。

 

10年伸ばし続けていている彼のドレッドヘアは椅子の背もたれにかかる長さです。パソコンのモニターは彼が開発した仕事の管理情報で埋め尽くされていて、この情報の中には教会の会員情報が含まれます。彼はいつもElderというアカウント名でログインしています。

この教会はブリティッシュコロンビア州のバーナビーの商業地区内にあります。

1階はインダストリアル音楽の店舗、上の階は車の車体ショップが入居し、印刷屋と看板屋が隣接している建物の2階にあり、外から見ると目立つ外観ではありません。

田舎でもなく、都会でもなく、通りの向こうは住宅地になっています。

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Holmes氏はこの教会の存在が周辺地域に馴染み始めるまで、環境に溶け込み静かに時間が経つことを望んでいたところ、この戦略は上手くいきました。

人々が信仰いている宗教や宗教行事の参加者が減少している状況の中で、Holmes氏が2012年に創設したRastafarian Order Ministry教会の規模は拡大しています。

バーナビー市内には同教会が運営している軒数は250,000より少ないですが、会員数は5,000人を数えます。

Holmes氏が処理している未処理の新規入会申込書はまだ残っていて、毎日多くの人が直接、またはオンラインで入会を申し込んでいます。

 

Holmes氏の机の向かい側には監視カメラが映し出す教会の内外のライブ映像のモニター画面で埋め尽くされています。

 

会員が入館する為にドアベルを鳴らすと、Holmes氏は席を押しのけて椅子の向きを回転させ、勢いをつけて壁に向かい正面玄関の解錠用の別のボタンを押します。

 

心地よい呼び出し音であっても、毎日繰り返し鳴り続けるので、注意しておかなければ、きっとうんざりします。

 

この教会では会員は寄付金のお返しに式典のギフトを受け取ります。ギフトの中身は花やエッセンス、オイルなどであなたが大麻を満喫できる品揃えです。

入浴剤からポテトチップスまであります。ポテトチップスのように脂質が多い食べ物を摂取すると、腸内でカンナビノイドとが作られ、大麻を吸引したときと同様の恍惚とした気分になりまし。

これらのギフトは非売品で、会員は年末には慈善活動の実績があれば税金の控除を受けられます。

 

教会は19歳以上であれば誰でも入会でき、会員数は一定の年齢層で増加しています。

協会では教義を強要してらず、会員はやりたいときに自由に実践しています。

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“我々と友好であるために我々の信念を他者と共有する必要は無いんです”とHolmes氏は言います。

 

この見解はDavidacus Holmes氏の信条の核心にみられる多くの二重性の1つです。

彼は語る際、他の何よりも先に、彼自身をラスタファリアンとして説明します。

そして博識と忠誠心を尊重していること、常に彼自身の宗教に対する確信について議論したがります。

 

Holmes氏はラスタファリの三大教派の1つであるイスラエル12支族の存在と、イエス キリストが人類の救済者、救世主であると確信しており、そしてKing james聖書(1611年刊行の欽定訳聖書)の信奉しています。

また、ジャマイカのコックピット地区の奥地のアコンポンマルーン村の責任者でもあります。

 

しかし、教会は間違いなく、ジャマイカ政府の政策方針を不服としていて現在、立法に対し、熱意を持って説得する事に挑戦しています。Holmes氏の後ろ盾強化の目的もありますが、同時に健康問題を抱える人々や、大麻の健全な用途の促進、地域社会に貢献する為の手立てにもなります。

 

“私はいつも権力者との間に問題を抱えてました。これはラスタファリアンであることを意味しています。自分が信じているものを守るために、立ち上がることを恐れる必要はないのです。”と灰色の大麻の煙が空中にうねりながら登るデザインの教会のホームページをスクロールしながら話しました。

 

2015年4月にジャマイカ政府はラスタファリの教義の範囲内で儀式用に使う大麻を合法化しました。

Holmes氏はジャマイカとカナダの両国に議論を持ちかけました。なぜならカナダ国内の宗教の自由は憲法上保障された権利であり、ラスタファリの儀式で使用する大麻は聖水、ワイン、パン、精油、エッセンスなど他宗教の儀式で使用される物品の用途と何ら変わるところがなかったからです。

そのため、Holmes氏はこの矛盾している論点を最高裁判所に持ち込むつもりです。

 

“酒類取扱免許を持たないのにワインをサービスするカトリック教会のミサに参加した後でなければ、私の教会が主催するラスタファリの儀式には参加できません。”と彼は皮肉を言っています。

 

Holmes氏の机の隣にある収納キャビネットには法典のファイルや彼が執筆した技術情報のファイルで溢れています。

彼が構築した教会の会員情報に関わる管理システムのコンテンツは徹底的で素晴らしいものです。

“私はあなたがこれまで出会ったことがないとんでもないコンピューターオタクなんですよ”と彼は言います。

Holmes氏は空き時間に(撮影の為に機体が登録された)ドローンを操縦し,時々映画を製作します。

彼はまた無線ネットワークと装置に関す特許権者であり、世界知的所有権機関の会員であり、オックスフォード大学の名誉学位を持っています。

 

Holme氏は35歳まで文字を読めなかった過去を考えると、彼の事業成果は本当に素晴らしいものです。

彼は15歳で高等学校を中退したので卒業していません。

後に、彼の担任の先生はなぜHolmes氏が学業に問題を抱えていたのか、原因は診断はされていないけれど、失読症だったのではないか、と推測しました。

そして突然彼の失語症の問題が納得出来たすぐ後に、Holmes氏は学校を退学し、盲人施設で慈善活動を始め、そこで録音書籍と出会いました。

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Holmes氏は現在51歳で様々な事実と関連づけて会話を楽しみ、哲学、宗教、歴史と語源を組み合わせて独り言を言う癖があります。

この取材の間中、彼は決しておはようと言いませんでした。

“Mourningという言葉は人が亡くなった時に使う言葉なんだ。”

こんな具合なので、決して‘’起きてますか?“なんて聞かないで下さい。立て続けにどんどん話に輪が広がっていくのです。

”wakeという言葉は、通夜“に参加することを意味するんだ。我々は日々死に向かって進んでいるんだよ。”

こんな感じで彼と一緒にいた3時間の間に、質問をすることは希だったし、私はずっと人を虜にする彼の回答を聞いてました。

 

Holmes氏のビジネスキャリアは彼の親戚とは一線を画しています。彼には裁判官の姉がいます。

また、彼の長女はオタワの王立カナダ騎馬警察(RCMP)の職員です。

 

家族の職業からしてHolmes氏は今すぐにでも逮捕されそうで、奇妙に見えます。

 

“カナダ国内で宗教上の理由による免除を受けるためには、最初に警察に捕まる必要があります。“とHolmes氏は言います。

 

裁判所に(非常に高額な)罰金を支払わずに起訴を取り下げる事は著しく困難な事です。

 

Holmes氏によれば、最良な方法は起訴事例で最初の逮捕者となる事だとの事です。

 

“あなたが言い分を(裁判所に)申し入れしたり、懇願する機会はめったにないし、彼らはあなたの罪を責め立てます。それが権力者の手段です。

そうなれば、あなたは権力と戦わなければなりません。“

 

Holmes氏は宗教儀式の用途に使われる大麻製品、加工品、流通経路の完璧な法律免除の手段を模索しています。

Joseph Arvayは人権と自由権の分野を専門とするカナダの憲法学者の権威の内の1人です。

 

その一方でHolmes氏はJoseph氏のような専門家の助言を得る事が、自分自身の事例の場合、法律の論争で抵抗できる唯一の支えになることを心得ています。

 

もし彼がカナダ国内で宗教儀式に用する大麻製品の法適用除外を受ける事になれば、彼の次の狙いはジャマイカとバルバドス島、そしてイギリスです。つまり、教会は国家全体で大麻が将来的に合法となる可能性の道を暗示しているのです。

 

 

Holmes氏の近所ではパトカーが止まることはよくあることです。彼はブリティッシュコロンビア州中の刑務所を毎週訪問し、未成年や最高懲役に服務中の囚人に面会し、頻繁に宗教について議論を重ねています。その為、警察官は刑務所に来た理由をHolmes氏に質問する為に、立ち止まるのです。Holmes氏に対峙するのではありません。

最近の居住者にとって、Holmes氏が自宅の玄関に腰を下ろし、マリファナ煙草をふかしながら、私服警官と会話している光景は奇妙に見えます。時には、警察官にマリファナ煙草を勧めることすらあるのです。(今のところ、彼らはお互いの意見をを受け入れていません。)

 

もちろん、カナダ政府は来年7月までに成人の娯楽用の大麻使用を合法化することを約束してきました。

しかい、Holmes氏は客観的な立場から、暫定的な法律に照らし合わせた時の合法性は不安定で覆される危険性を孕んでいて、むしろ、宗教の自由に関わる問題だと考えています。

 

“ラスタファリアンにとって、大麻使う事こそ聖なる儀式であり、娯楽目的の用途とは無関係です。大麻の使用は娯楽ではなく、我々の一連する生活の一部なのです。”と、Holmes氏はため息を吐きながら、再びマリファナ煙草を一口含みました。

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“宗教儀式の為の大麻使用が合法化する為に、戦わなければなりません。もし何かが正しくないと、不公平さを感じれば、権力と戦い、刑務所に行く場合もありますが、最終的に誰が喜んで刑務所に行きたいと思いますか?

この教会はHolmes氏が最初に大麻の世界へ危険を冒して入り込んだ世界ではありません。

彼は以前から2軒のiMedikate,5 Star Organicという薬局運営していて、そこで彼は人気商品だったBlack Tunaと呼ばれる品種を開発しました。

 

Black Tunaは世界中のあらゆる大麻品種より格段にTHC濃度がとても高く、鎮静剤の効能で知られています。

Black Tunaはストレスや鬱病の症状を和らげ、カウチロック状態の多くの症状を誘発します。

 

Holmes氏は教会に彼自身がブリティシュコロンビアの郊外で生産し、育てた商品を納入しています。

 

農地は50,000平方スクエアーフィートの広さで、15の部屋にはそれぞれ異なる様々な品種で埋め尽くされています。

 

Holmes氏は農場で殺虫剤や化学肥料は使用しておらず、唯一の栽培に必要な物は水だけだと言います。

 

“我々は水中で高い光学エネルギーを探しているのです。”

“水を入れ替えも必要ですから、もし我々の宗教的な観点から言えば、この水は聖水と呼べます。”

 

Holmes氏はアコンポンでの大麻生育の専門技術に自信を持っています。アコンポンはジャマイカ西部に位置する半独立状態の地域で、住人は自分達の土地を所有し、選挙制度を持ち、裁判所もあり、独自の法律を制定し自治しています。

“我々は280年もの間、ここのジャマイカの丘陵地帯で大麻を栽培してきました。だから、他の人地域の住人と比べると、ちょっとばかり、ここではやり方が違うのです”とHolmes氏は説明しています。

 

この農場には、Holmes氏の驚くべきエピソードがあります。

それは奇襲事件です。

 

Holmes氏がこのエピソードを教えてくれた事件が起きたのは2015年の6月でちょうど朝の9:00を回ってた時刻で、彼は煙草を吸いに外へ出ました。

彼は目線を上に上げ、当時の状況を思い出しながら、その時間帯に彼は垣根越しの向う側に戦車の輪郭を見たことと話してくれました。

 

同時に変装した2人の男達を目撃し、1人が垣根を破壊して侵入してきた次の瞬間、Holmes氏に向かって発砲したのです。

彼が運営していた栽培施設は郊外に位置しており、警察が駆けつけるまでに最大45分かかってしまう場所でした。

弾丸は彼の胸に当たり、息も絶え絶えに地面に倒れ、自分が入ってきたドアの方向へ向かいました。

その後、鹿が彼をめがけて突進し、両脚に衝突しました。

‘‘私はどうやって鹿が垣根を突き破ってきたのだろうと?と考え考えながら宙に舞ってました。”

 

地面に落ちた後、それは鹿では無かった事が分かりました。

彼を攻撃したのは拳銃をまるで雄鹿のように、2丁背中に背負った,RCMPの2人の警官だったのです。

栽培施設の農場にいた15人が拘置所に連行され、4時間の拘束後に、罰金なしで釈放されましたが、4日ぶりに彼らが農場に戻った時、栽培設備は無くなっていました。

 

今回の襲撃事件で、カナダ国内で政府主導の科学研究または実験開発を対象にした免税や税金の払い戻しが保証されているにも関わらず、政府によってほとんど全ての財産が持ちさられてしまったとHolmes氏は言います。(Holmes氏は大麻を取り扱う梱包免許を取得しており、梱包用に大麻を所持していれば研究ができる事ができると知っていました。)

 

襲撃事件の2,3週間後、1人の警官が没収した財産を返却しました。

Holmes氏は破壊された農場や施設を一から建設するハメになりました。

パートナー達と協議した結果、復旧計画の話が進められていた中、この警官の訪問が彼の再建の意欲を駆り立てました。

彼はパートナー達に今回の警官からの襲撃は個人狙いでは無かった事、再建費用が$300,000かかる事、警官が土地を取り上げ無かったが、もし、土地も没収されていたら、二度と戻って来なかっただろうと、と話しました。

(Holmes氏は、もしこの発言が記事になれば、警官は事件が明るみになることを避けるだろうかと、聞いてきました)

 

警官がた立ち去った後、Holmes氏とパートナー達はしばらくの間、その場に座り、呆然としていましたが、Holmes氏が

静寂を破り“ちきしょう。またやり直そうよ。”と言いました。

 

現在彼ら全員が、かつてないほど、農場を居心地よく感じていました。

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金曜日の午後、Holmes氏は愛車THC号に戻りながら、“こいつに乗って決して越境しないし、町外れにある教会の唯一の取引銀行の駐車場にも止めないんだ“と言います。

その日の気温は温かく、強い日差しと、雲ひとつない晴天で風が強い日でした。

THC号はオークの木の日陰に止められHolmes氏は運転席に座ったままアイデアを引き出そうとしているよう見えました。

 

“その日の終わるころ、私は通り過ぎる人々が見えないくらい、自分の正しさを証明する為に苦悩していました。

私は他人を傷つけていないし、自分を助ける為に他人を助けていると思う。それが私の人生のルールなんだ。他人の為により多くの時間を使えば、より自分の時間を持つことになるんだ“

と彼は言います。

 

教会は地域社会の中で活動的です。

教会をサポートしている組織の中の1つにShewayがあり彼らは若い母親達を対象とする奉仕活動をおこなっています。

 

昨年のクリスマスにはShoppersDrug Mart社の協力の下で教会は$15,000相当のオムツと400ポンド以上の衣類を同組織に寄付しました。(Shoppersとのパートナーシップは同社の社員の一人が教会に入会したことで結成されました)

 

教会でのこの関係を通し、Holmes氏は、まだ取り組まれていない地方の問題を知りました。

その1つが地方の善意ある女性キリスト教徒達がゴスペル歌手を招いたコンサートを主催する資金の為に彼女らの金庫にあったお金を使ってしまった為に、そのキリスト教教会の収支が赤字になってしまったというものです。当時の負債はまだ続いています。

 

最近、新しく移住した人がいて、その人は現在安全な環境下にあるHolmes氏の事務所で勤務中で大麻を販売を試みています。

長時間の講義の後、Holmes氏はその移住者に近所の冷蔵庫会社の仕事紹介しました。最終的に移住者は教会の会員になりました。彼は私が金曜日の夜に会った会員でした。

 

彼はドアが施錠されているのを確認すると、むっすりとしたまま、車に向かってトボトボと歩き始めました。その姿を見たHolmes氏が駐車場から出て、歩いてくる彼をバックミラーでちらっと見ると、パワーウィンドウを下げながら“やあ、こっちにおいで”と声をかけました。

Holmes氏はポケットに手を突っ込み、小さな儀式用の小袋を探して取り出すと、“これをあげます。おやすみ”と言って、駐車場を離れました。

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Holmes氏が駐車場から去った後もその会員がまだバックミラーに映って、直立不動のまま、無言で身動きひとつしない姿を見て、Holmes氏は微笑み続け笑い始めました

我々が銀行を後にした午後、Holmes氏は側道に寄り、郊外住宅のところどころに穴のあいた道路をゆっくりと蛇行運転し、一軒家の裏側に車を寄せました。

“ちょっと待って。何か落としたみたいなんだ”と言ってと彼は車を公園にに止めました。

彼は後部座席に手を伸ばしブランケットの下から輪ゴムできつく巻かれた、足のサイズとほとんどかわらない厚みと同じ20ドル紙幣の束を掴みました。

私の信じられないとういう表情を見て、車の外に飛び出して行きました。

 

彼は10分後に戻り、私は詳しい状況を聞きました。

Holmes氏はもう一つのパートナシップをShoppers Drug Martの地元店舗と提携していて、バーナビーのフットボールのマイナーチームを後援しています。

協賛金はチームの新しい機材や季節ごとに必要なユニフォームの購入資金に充てられます。

Holmes氏にとって、小切手を切るよりも現金で購入する方が

手間もかかりません。

 

“チームの施設は古くてみすぼらしいんだよ。5,6年前のものだしね。昨シーズンの敗北者ようなにおいがするよ”と彼は言います。

 

彼は車を車道に引返しました。日はまだ高い位置にあります。

“設備が良ければチームのみんなは気持ちよくプレーできるだろうし。私はロビンフッドみたいだな。”と彼は続けました。