マリファナ(大麻)は世界的に、最も一般的に使用されてている違法ドラッグです。アメリカでスケジュール1規制対象物質に分類されるマリファナは、ほぼ全ての体内の臓器に作用する、気分転換型(精神活性型)薬物です。ただし、最近では合法の地域も多く出てきており今後の大麻産業に注目が集まることは間違いありません。そこで今一度大麻に関してあらゆる面から考察してみたいと思います。

 

アンケート調査によれば、米国の12年生(日本でいう高校3年生)の34.9%がマリファナを使用しており、12年生の6%近くが日常的にマリファナを使用していると報告されています。

2013年のNSDUH調査によると、米国の1980万人の成人が調査の前月に大麻を使用し、現在の違法薬物使用者の81%がマリファナを使用した経験がありました。

マリファナは、重度の痛み、吐き気、および他の慢性症状を緩和するのに役に立つといういくつかの証拠があります。しかし、健康上の懸念も数多くあります。

マリファナには400以上の化学物質が含まれています。THC(デルタ・9・テトラヒドロ・カンナビオール)は精神活性物質の中心となる化学物質です。マリファナがもたらす可能性のある影響には、気分の変化、自滅的思考、正常な学習能力の混乱があります。また、依存性、精神病、中毒を生じることも人によってあります。

 

マリファナの概要

・マリファナの主要な精神活性成分は、 デルタ・9・テトラヒドロ・カンナビオール(THC)です。

・大麻には113種類以上のカンナビノイドが含まれています。

・娯楽目的の大麻の影響には、立ちくらみ、くつろぎ感、食欲の増加、血圧の低下などがあります。

 

マリファナ(大麻)とはなにか?

マリファナはカンナビス・サティバ(ヘンプ)の乾燥させた開花の頭部、葉、茎、種子から生まれます。

カンナビスは、繊維(麻)、シード(種子)オイル、種子、医療、娯楽のために、何百年にも渡って人々に使用されてきました。

 

THCはカンナビノイドと呼ばれる特定の脳細胞受容体に作用します。

テストにより、THCは軽度から中度の鎮痛効果を持ち、痛みの治療に使用できることがわかっています。THCは、脊髄の神経伝達物質放出を変更し、痛みの軽減をもたらします。

THCはまた、食欲を刺激し(非公式にはマンチーズとして知られています)、リラックス状態を促し、嗅覚、聴覚、および視力の感覚に対して他の効果を誘発することも知られています。THCは一部の人々の攻撃性を減らすかもしれません。

いくつかの研究では、吐き気や嘔吐の治療にTHCが有望であることが示されています。吐き気が副作用となる化学療法や、その他の治療を受けている人々にとって、ありがたい嘔吐薬の性質を持っているかもしれません。

医療用マリファナは、慢性疼痛、筋痙性、食欲不振、吐き気、睡眠障害を治療するために使用される。医療用マリファナは、政府の標準化の対象ではなく、成分と効力がわかりません。

マリファナは、喫煙、蒸気吸入、紅茶として淹れる、バームとして塗布する、またはブラウニーやチョコレートバーなどの製品で食べる事ができます。

 

マリファナの影響と成分

大麻の持つ113種類以上のカンナビノイドの影響はほとんどわかっていませんが、今日までに確認された最も強力な精神作用剤はTHCです。

人が大麻を喫煙すると、THCはすぐに血流に吸収され、数分で脳に到達します。

THCを食べると、体はゆっくりTHCを吸収し、2時間まで作用を遅らせ、効果の持続時間を長くします。

マリファナのTHCおよび他のカンナビノイドは、体が作り出すカンナビノイドに似ています。これらの天然のカンナビノイドは、神経系全体の神経細胞(ニューロン)間で科学的メッセージを送る神経伝達物質のような働きをします。

これらの神経伝達物質は、記憶、思考、集中力、運動、協調性、感覚、時間近く、そして快楽に関する脳領域に影響を及ぼします。これらのカンナビノイドに応答する受容体はまた、正常な脳機能を変化させたり崩壊させたりもできるTHCに応答します。

THCは、記憶の創造および注意を制御する脳の海馬と前頭眼窩皮質に影響があることがわかっています。THCはまた、バランスや姿勢、調整、反応時間に悪影響を与える小脳や基底核の機能を妨害します。マリファナを使用しての車の運転、重機の操作、スポーツへの参加、または危険が及ぶ可能性があるものを行う事は安全ではありません。

THCはまた、快楽の感情に関連する神経伝達物質であるドーパミンの放出を増加させる特定のカンナビノイド受容体を刺激します。多くの薬物乱用(ヘロイン、コカイン、アンフェタミン、ニコチンなど)に共通するこの効果は、その強化作用と娯楽用途の基礎となりえます。この効果は、アヘン剤の作用を阻止する薬剤であるナロキソンによって覆されます。これはオピオイド系との関連を示唆しています。

人々は、高揚感(ハイ)、目のくらむような感覚、くつろぎを得るためにマリファナを利用します。マリファナはまた感覚の変化を生み出します。色はより明るく、音楽はよりはっきりと、感情はより深く感じられるかもしれません。

 

大麻を娯楽目的で消費した時、以下のような影響がでる可能性があります。

・知覚の変化―マリファナには幻覚の影響がわずかしかないため、使用者は現実をゆがんだ形で見ることになります。

・気分の変化―幸福感を感じたり、より活気に満ちた気分になったりする人がいる一方、くつろいだ状態になる人もいます。

・心拍数の増加

・血圧の低下

・集中力と記憶障害

・減少した精神運動の調整

・吐き気(大麻が吐き気の症状を治療できるという事実にも関わらず)

・食欲促進

・呼吸がより速くなります。

試用期間と使用料によっては、最後に使用してから数か月間、大麻が尿の中に検出されることがあります。

 

リスク

以下は、大麻を消費することによるマイナスの影響を示唆、もしくは実証している研究と報告の一部の例です。

・マリファナを喫煙してから3時間以内に運転すると、車がクラッシュする可能性がより高くなります。

・動物研究のレビューによると、大麻の使用は男性の性機能不全につながるかもしれません。

・マリファナの喫煙は最終的には身体の免疫システムを抑制し、特定の種類のがんや感染症に感染しやすくなります。

・長期的なマリファナの使用は、精神病を発症するリスクを高める可能性があります。

・歯周病のリスク タバコを吸うかどうかにかかわらず、大麻の喫煙が歯周病発症のリスクを高めることが示されています。

・脳機能の低下 研究者たちは、15歳になる前に日常的な使用者になった人々は、それより後に使用を始めた人々よりも脳検査が悪いことを明らかにしました。

・急性の記憶喪失 強力な大麻の喫煙者(スカンクなど)は、急性の記憶喪失のリスクがより高い可能性があります。

・人間のDNAを変更する 英国の研究では大麻の煙が人間のDNAをガンになりやすくするという説得力のある証拠が見つかりました。

・精巣癌 フレッド・ハッチンソンがん研究所の研究者たちによると、頻繁に、または長期間にわたってマリファナを使用する男性は、精巣癌を発症するリスクがかなり高い可能性があります。

 

中毒性

 

カンナビスは、他の鎮痛剤と同様に、依存症や中毒を引き起こす可能性があります。時間とともに、エンドカンナビノイドシステムの持続的で過剰な刺激は、中毒を起こす脳の変化を引き起こすかもしれません。これは、若い時に大麻を使い始めた人や、ヘビーユーザーにはるかに多くみられるでしょう。

マリファナを使用している人の推定9%は、マリファナに依存するようになります。10代の使用者は中毒になるリスクが17%、定期的(日常的)に使用している人たちの25~50%が中毒になります。大麻を急にやめることは不快になることがありますが、生命を脅かすものではありません。

大麻の離脱

離脱症状は、やめてから2日目から始まり、2週間持続することがあります。使用を中止したことによる症状には、不安神経症、胃痛、不眠症、食欲減退などがあります。睡眠の問題は2週間を過ぎても潜在的に持続する可能性があります。

「合成マリファナ」はマリファナではなく、K2/スパイス(テストされていない違法な合成カンナビノイド)に騙されている人々がいることに注意することが重要です。

慢性的な大麻の使用の長期的な健康リスクの全容は、現在の所不明です。深刻な身体的、心理的、またはその他の望ましくない反応を引き起こすのはどういった人なのか、判断する方法はありません。

 

大麻の医療的な使用(医療用大麻)

2014年1月31日現在、NIDA(薬物乱用研究所)には、6つの異なる疾患領域における効果を調査において、マリファナに関連する28の積極的な助成金を受けました。これには、自己免疫疾患、炎症、疼痛、発作障害、精神障害、精神障害、物質使用障害、離脱、依存が含まれます。

いくつかの研究では、特定の種類のマリファナ使用に、いくつかメリットがあることが示されています。米国食品医薬品局(FDA)は現在、食欲を促進し吐き気を軽減する特定のTHCベースの薬を承認しました。

THCはまた、疼痛、炎症、筋肉制御の問題を減少させる可能性がありますが、これらに対して薬物はまだ承認されていません。

マリファナから発見されたカンナビノイドで、精神分裂の影響がないカンナビジオール(CBD)の薬物としての効果を調べている研究者は多いです。この成分は、痛みや炎症の緩和、てんかん発作の抑制、精神疾患や中毒の治療に役立ちます。

他の研究者たちは、マリファナの抽出物が、特に放射線治療の補助的治療として、癌細胞を狙い殺す可能性を調査しています。

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