45分間、クラスの女性たちでジョイント、ベイプペン、ボールで大麻を吸いながら、暖かいバスタブに入っているような感覚でDee Dussaultのヨガクラスは始まります。明かりは落としてあり、リラックスした音楽が流れています。

 

大麻を吸引した後、マットに横になり、ポーズをとりながら教えてくれます。

「子宮を絞るように締めてください。」

 

これはヨガと大麻を通して女性達が官能的になれるように、Sexy Flexと呼ばれているヨガです。

 

セックスの事を考えた際に、大麻とヨガが一緒に連想されるのは違和感がありません。Dussault氏は女性が安心して、官能を追求できる場所を提供しています。もちろんクラスでは全員服を着ています。クラスの後に何をするかは自分次第です。

 

Dussalt氏はヨガのインストラクターと性に関する先生もしています。Ganja Yoga: A Practical Guide to Conscious Relaxation, Soothing Pain Relief, and Enlightened Self-Discoveryの作者で、Sexy Flex以外のヨガと大麻を組み合わせたクラスのインストラクターも行っています。

 

Dussalt氏は「早熟」と言われる10代の頃に人の性の部分に興味を持ち、コスモポリタンやペントハウスにまで手紙を送っています。ここで一つの共通性が見え始めました。

 

「私には初めから、女性が性的に苦痛を感じ、ニーズが満たされていない事がはっきり分かっていました。」「フェミニズムが進むにつれ、それがさらに明らかになってきました。」そう彼女は言いました。

出典: Jennifer Skog

彼女はトロントのヨーク大学でセクシュアリティの研究を続けました。ヨガのインストラクターの勉強をしながら、同じ分野で修士の学位を取得しました。彼女曰く「プラナとチャクラより難解で伝統的なタンテリックを勉強し、人生とスピリチュアルにセクシュアリティも伝統的に深く関係していることを学びました。」

 

この期間に大麻を使用し始めました。彼女自身は大麻に関しては20代以降に興味を持ったので「遅咲き」と言っています。

 

「ヨガの練習をするときに大麻を使用するとよりリラックスでき、具体化でき、官能的でより興味深いものになる事に気づきました。」

 

「具体化」という言葉を彼女は良く使用します。自分の体にもっと敏感になれるという意味だそうです。

 

「とても伝統があるヒンドゥー教である私の先生に、大麻をクラスで使用する事について相談したことがあります。彼女は、私達はみな自分の道をもっていると答えました。」「大麻はヨガでは精神的に効果のあるものとして扱われているので、 精神的作用がある限り、問題はありません。」

 

彼女はヨガの練習に励み、大麻への親和性は高まりましたが、その一方学業では失望するばかりでした。

 

彼女が望んでいたことは、女性を真に助けることでした。女性がパートナーとオーガズムを感じれるようになり、前戯でどれほど性的に幸福になれるか、またはコミュニケーションスキルが改善されるようになることです。「身体とは一体何なのか?」彼女は学校を退学し、読書でため息をつきながら学ぶより、深呼吸をし、身体を使いながら女性を救う道を選びました。

 

彼女はGanja YogaとSexy Flex、両方のヨガクラスをもっています。どちらのクラスでも、最初に大麻を使用する時間が設けられています。非公式ではありますが、どのような摂取方法でも問題ありません。

 

ロスアンゼルスで開催されている、最近の彼女のSexy Flexヨガのクラスの内容は、最初に女性達は輪になって座ります。まるでイチゴの入った箱、ナッツの入ったボールやチョコレートをまわすように、ジョイントがフレンドリーな雰囲気でシェアされています。誰もあまりセックスの話はせず、ヨガや最近行った大麻のイベントの話などをしています。

 

ヨガのクラスが始まると、マットの上に座り、部屋の電気が落とされます。小さな明かりとキャンドルだけで、他の人の目が気にならず、自分の身体に集中できる暗さに調整されています。

 

他のヨガクラス同様、最初は呼吸から始めます。Dussalt氏が声を出しながら息を出すようにと教えてくれます。

 

「私のクラスでは声を出すように教えています。」彼女は言いました。「その方がリラックスできます。あくびや息をのむ音、ため息のような音の振動は、緊張をほぐしてくれます。特にSexy Flexのクラスでは、その息が喜びと幸福の音になるのでもっとリラックスできます。」

ヨガのポーズは初心者やケガがある人や身体の固い人でも問題なく簡単に行えます。彼女の姿が見えづらい暗さでもしっかりと教えくれます。

 

数分後、Dussalt氏は骨盤底筋について説明し始めます。子宮にとって大事なインナーマッスルです。彼女はまた、このクラスではこの運動が40歳代女性に有益であると広めた婦人科Arnold Kegelの名を取ったKegelとは呼ばないと言いました。

 

「骨盤底筋の収縮を行うのは古くからある方法です。」彼女は言いました。「[Kegel]は医療分野や西洋社会で評判は高いですが、骨盤底筋運動と言い方を変えれば、女性がはるか前からそのことを知っています。」

 

骨盤底筋の運動を行うことで、骨盤領域の血流が良くなります。彼女は血流の改善だけでなく、生徒がその部位の筋肉の使い方がわかってくると述べています。この動きはストレッチ、ポーズ、呼吸、臀部のエクササイズの際にも使われます。

 

「私たちの多くはスマートフォンや精神的ストレスのため、首から下の身体が切り離されている感じがします。 それ以上に女性たちは様々な社会のストレス、厳しい変化から自身の性器に関して意識が薄いです。」彼女は述べました。「ですので、内部から癒されるために自分自身の性器に意識を戻します。いわゆる外部からの刺激ではなく、自分自身で内部から癒されるようにします。」

 

クラスを受けている自分がうぬぼれている様に感じましたが、音楽が Ginuwineの「Pony」に切り替わったとき、自分に誇りが持てました。生徒はみんな笑顔で、この変わった旅を一緒に体験したことを思い起させるようでした。

 

クラスの終わりにDussaltは「イチゴの瞑想」をもたらしてくれました。参加する人は彼女から手のひらにイチゴを渡されます。生徒たちは目を閉じ、舐めたり、キスしたり、ゆっくり熟考したり、あるいは賞賛したりするように言われます。手の中にあるのはただのイチゴです。普通ならグラノーラやヨーグルトに入れられるものですが、このクラスでは、心は他の場所をさまよっています。目を閉じ、自分とイチゴ、何を考え感じるかは自分次第です。

 

みずみずしいイチゴは、官能的なものと関連付けされることが多いです。性器を具現する代わりに、鼻、口、舌、歯で体現します。授業の後、もう一度輪になり、15分ほど交流する時間が設けられます。ヨガマットは丸めて片づけられ、ジョイントが巻かれ、生徒たちでシェアされます。

Dussalt氏はほとんどの生徒がクラスの後、「達成感」や気持ちがよかったと言うのを聞きますが、それは様々な形で現れると言っています。ある人はすぐデートの約束をし、ある人は家に帰り、ある人は食事に出かけます。彼女は生徒たちがクラス後の活動内容に関わらず、自信がもてるようになるのではと思っています。

 

「女性として性的に権限が与えられると、背筋を伸ばし、自信が持てるのではないかと私は思います。」彼女は述べました。「女性のセクシーさは、私たちが性対象として他人にどう見られているのか関連しているように思います。しかし、明かりを落とし、エクササイズを行い、目を閉じながらイチゴの瞑想をし、自分がどのように感じるかが大切です。性対象になるか否かが目的ではありません。」

 

Sexy Flexのクラスは大麻の摂取をしなくても受けることはできますが、摂取したほうが間違いなく身体とつながる感覚を育むのに役立ちます。他の生徒と一緒に大麻を摂取すれば、マットで横になりエクササイズをするのも緊張しなくてすみます。大麻の抗炎症作用に助けられている生徒もいます。私にとっては、緊張をほぐし、思考と身体に集中がすることができました。Sexy Flexは明るい場所で大麻を摂取せずに行うヨガとは違います。

 

「大麻が好きな人は、その人が得意とし、好きな事を大麻はより良くすることができます。」彼女は言いました。「経費や税金の計算を楽しいと感じさせることは難しいですが、コメディーの映画鑑賞やセックスであれば、より良くできます。」

 

Sexy Flexのクラスは女性のみ受講できますが(トランスジェンダー、ノンバイナリージェンダーは受講可)、Dussalt氏は個人でカップルや全ての性別の人にプライベートレッスンも行っています。これは特に悩みのある人や、変わったデートをしたい方向けです。

 

彼女は非常に遊牧的で、複数の都市でクラスを開催しています。興味がある方は彼女のウェブサイトかインスタグラムをチェックしてみてください。Sexy Flexのクラスは週や月に1度受けれないかもしれませんが、安全でフレンドリーな環境でいつでも歓迎してくれ、家でもできるエクササイズを教えてくれます。自宅だと他の生徒と一緒にポーズをとる感覚とは違うかもしれませんが、インナーマッスルを鍛え、健康的な身体を保持できます。