今のところ、スヌープ・ドッグという名前は大麻と同意語のようなものだ。彼の大麻への情熱は決して衰えることがない。大麻投資のために4,000万ドル以上を調達したのだから。

スヌープ・ドッグ、本名カルバン・ブローダス・ジュニアはラッパーとして音楽界で輝かしいキャリアを歩んできたが、最も成功しそうなのは大麻ビジネスというキャリアだ。

大麻のこととなると、彼ほど大きなインパクトを生み出せる人はいない。2015年にはカーサ・ヴェルデ・キャピタルを共同創設した。これは大麻ビジネスを補助する産業に特化したベンチャーファンドだ。言い換えると、急成長する大麻ビジネスで大麻草それ自体を投資の対象としないということだ。健康や技術、金融サービス、科学技術、メディア、コンプライアンス、そして医薬品検査機などを投資の対象にしている。

彼がファンドを立ちあげてほぼ3年たったが、頂点に達したとは全く言えない。しかし、今週重要な節目には到達した。ついに最初のファンドをクローズした。将来のビジネスに向けて4,500万ドルを調達したのだ。

スヌープの拡大するビジネス

スヌープドッグの経営パートナーであるカラン・ワドヘラはTech Crunchのインタビューに対し、昨年1年間にわたり、個人投資家やヘッジ・ファンドから4,500万ドルの大半を調達したと述べた。

最初は、資金の調達は困難な状況だったが、スヌープ・ドッグの著名度とビジネスモデルのおかげで、前会計年度に大きく成長できた。そして、ワドヘラによると、これは始まりにすぎないとのことだ。

「私たちはシードステージからシリーズA、つまり100万ドル以上の小切手を切れる会社になりました。これは私たちのファンドのざっと半分が追加投資のために待機している状態で、300万ドルから500万ドルの追加投資ができます。大麻産業の発展を補助するものへの投資にフォーカスしているので、大麻草を栽培する会社。つまり薬局、農家、製造業者には投資しません。道具に投資しているのです。」(ワドヘラ氏)

現在、CVAのポートフォリオはイーズ、グリーンビッツ、リーフリンク、メリージェーンのようなスタートアップ企業を含んでおり、大麻産業にかかわる技術、メディア、金融サービスの分野への投資などでポートフォリオを多様化し実績を残してきた。

スヌープ・ドッグの会社での役割に関しては、ブランドの大使以上の重要な存在であるとのことで、しばしば実際にメディア関連のプロジェクトでは彼が自ら汗をかく。

「彼がこの会社に参画してくれたおかげで、多くの信用を勝ち取ることができたし興奮も与えてくれています。必要な時にはいつでも動いてくれます。投資プロセスには干渉しませんが、メリージェーン(大麻関連のライフスタイルメディアサイト)などへの投資の際には積極的に参画してくれます。投資対象の中身やそれが彼にとって重要なものかどうかで決まります。」(ワドヘラ氏)

スヌープ・ドッグの資金調達は彼にとって最後の大ヒット曲か

スヌープ・ドッグは大麻が非合法だとみなされていた時も大麻についての曲を作ってキャリアを築いてきた。今や彼は合法な大麻を扱うビジネス側の人間だ。彼が合法な大麻に焦点をあてることで大麻草に関する汚名がそそがれている。

そしてカーサ・ヴェルデもここ数ヶ月は活発な活動をしている。

11月には大麻の含まれる医薬品の検査機という新たな分野への投資をはじめた。カナリシスという大麻農家、製造業者、薬局のために医療および遊興用の大麻をテストする企業に100万ドル強の投資をした。

4,500万ドルの調達規模からするとこの投資は取るに足らないようにも思えるが、いずれにせよ時が経てば結果はわかるだろう。