カナダの二大カンナビス認可製造企業が、合併することを早くも決めました。合併のために、Aurora Cannabis社は、株主の承認を得てからMedReleaf社の32億カナダドルに相当する全ての一般株式を購入するとしました。

Aurora社がMedReleaf社を買収。

新会社は70億カナダドルに相当。

この動向に対して、多くの産業アナリストたちの意見が分かれました。カンナビス生産を担う小企業には向かい風になると予測する者もいれば、どんな規模の企業であろうとビジネス可能な市場に育っていると言う者もいます。

AuroraとMedReleafの合弁会社は70億カナダドルに相当し、カナダの認可生産者の中で現在市場価値が最大のCanopy Growth社をも超えると言われています。

もし契約が成立すれば、ブリティッシュコロンビア州にベースを置くAurora社は、カナダの9箇所とヨーロッパの2箇所の設備で年間570,000kgのカンナビスが生産可能になります。

月曜日の記者会見でAurora社のCOOであるCam Battley氏は、「目標は、世界一のカンナビス製造企業になることです。」と言いました。

また、CEOであるTerry Booth氏は、「本契約によって、私たちは多方面のリーダーとなり、そして私は後を向くこともなければ、これから止まることもありません。」と付け加えました。

子会社への圧力

娯楽用カンナビスに係るカナダの連邦法の施行が迫り、カンナビス産業の各企業の合弁がトレンドになることは、多くの産業アナリストや関係者が予測してきたことです。

オンタリオ州をベースとするMedReleaf社合弁の衝撃的なニュースが公表される4か月前には、Aurora社はサスカチュワン州をベースとするCanniMed Therapeutics社を株式及び現金にて11億カナダドルで買収しました。

2月には、オンタリオ州ベースのAphria社がブリティッシュコロンビア州ベースのBroken Coast Cannabis社を株式及び現金にて、2億カナダドル以上の価値で買収しました。

オンタリオ州ベースのCanopy社は、BC Tweed Joint Venture社の3億7400万カナダドルに相当する残りの33%の株を購入する旨の契約があることを公表しました。

これらはいったい何を意味するのでしょうか。PI Financial社のカンナビスアナリストJason Zandberg氏は言います。「これらの合弁は、小規模なカンナビス生産者たちを追いやることになります。大企業がさらに大きくなり、他の企業に圧力をかけるのです。小企業にとって、そんな大企業と競合するのは大変難しいことです。」

財務サービスを提供するCanaccord Genuity社によると、Aurora社の570,000kgのカンナビス生産量は、カナダの娯楽用と医療用を合わせた2021年の需要にほぼ相当する数量だと言います。

CIBCアナリストは今般、今後は年間約800,000kgの需要が出てくるだろうと予測します。

海外へ輸出したとしても、Aurora社がカナダのほぼ全需要を吸い取ってしまう形になる、とZandberg氏は語ります。

一方、Cannabis Canada産業協会のCEO、Allan Rewak氏は、「どの規模の企業にも、市場に入る余地はあります。」と反対意見を述べました。

さらなる合弁が見込まれる

Zandberg氏はさらなる合弁のトレンドが続くだろうと予測します。最近のAurora社とMedReleaf社の取引を参照し、「将来同様の取引、中でも特にこれから中規模のプレイヤーたちの中で多くの動きが見られるでしょう。」と述べました。

「小規模の生産者への影響はさておき、カンナビス産業の中で合弁が行われるのは、消費者にとって良いことです。一般的に洗練されたプレイヤーがいれば、生産や販売スケジュールについてより調整されていくからです。」とZandberg氏は加えました。

彼は、カンナビス産業内で競合先が少なくなると、小売り価格が上昇するという考えは考慮していません。むしろ、市場で製品を得るには、生産者が直接消費者に売るのではなく、中間にいるバイヤーに売ることで、価格を調整できると言います。

Rewak氏の見方は、合弁は産業への良い兆しということです。「これは、継続した常態化、標準化を促し、金融相場や消費者などの興味を引き付けることになります。」と語ります。

出典:Leafly